「音楽の正体」渡辺 健一 著
ヤマハミュージックメディア (1998/12/10)
*初心者~中級者向け
同タイトルのフジテレビの深夜番組の解説本。
とくにJazzに特化したものではありませんが、幅広く音楽全体の基礎知識を得ることが出来ます。
「音楽には興味がある/好きだけど、理屈はひとつもわからない。小中学校で音楽の授業を受けたことしかない。」
という人に向けて書かれている本。
読み終わった日から音楽を聴きかたが変わること間違いなし。
基礎的なコード進行や、基本にして実に実践的なテクニックについての説明を超有名ポップチューンを題材にものすごくわかりやすく説明してある。
譜例がいっぱいあることも評価高いです。
ピアノを弾きながら読めば理解度70%アップ。
いやいや、読む時にピアノが欲しくなりますよ。
意外とがっちりジャズの勉強をしてきたり、音大でクラシックや作曲を学んだことのある人が知らなかった!なんて言うことについても触れてあると思うよ。
もちろん、音大などで正式に学問として習う数々のテクニックや技法、音楽理論などをわかりやすいたとえ話と誰でも知ってる名曲を例にして解説しています。
とくに昭和の名曲などを題材に説明されると「なるほど!」と言いたくなること間違いなし。
(そうか!読む人の世代を選ぶかもね!これがこの本の唯一の弱点かも。)
正直Jazzのテキストでは全くありません。
そしてHow to本でもないし、解説書でも学術書でもない。
でも読み物としてすっごく面白い。
ぼくらJazz学習者にとって見落としやすい、広い意味での本当の「音楽」の基本について学ぶところ、アドリブなどに応用できるところがとっても多いはずだよ。
「なぜ人は音楽で心を動かされるのか?」
「名曲がなぜ名曲と呼ばれるかにはかなり明確な理由がきちんと説明できる。」
「曲が盛り上がる/盛り下がるには理由がある。」
「抽象音楽とは。」
「平均律とは。」
などなど・・・・。
大名作だと思うんだけど残念ながら現在は絶版!
古本屋さんで見つけたらすぐ買おう。
心から復刊、再販を願う良書のひとつです。
著者の渡辺健一さんは実際にその深夜番組を作成された構成作家さん。
しかし大学で作曲、音楽美学などを専攻された異色の経歴を持つ方です。なるほど!彼ならではの著書だと思いますね。
++++++
(以下小声で読んで)
実はこの本のオリジナルである当時の深夜番組「音楽の正体」は一部Youtubeで見れるみたいです。
検索してぜひ見てみよう!