初期の山下洋輔、黄金のトリオのライブ。1969の録音。
学生運動のさなか、早稲田大学の講堂前でぶちかましたぶっとびフリージャズ。もう、そこからすごいよね。
なんと一曲目はアジ演説。わはは。そんなCDあるかよ~。
ぼくはその世代の学生運動とかの時代からは外れる世代なのですけど、この時代とぴったり来るのかなぁ。フリージャズってのが。
「昭和」というすごい熱い時代を切り取ったまさに一大ドキュメント。
月並みなこと言ってしまったけど、すごい演奏です。
実にいろいろな形態でいろんな音楽を生み出す天才・山下御大ですが、ぼくはこのピアノ+ドラム+サックスという編成が最高にすきだなぁー。メンバーを変えても、こだわり続けた彼の原点とも言える編成。
ベースという制約から放たれ、怒りの活火山となり狂気のマグマとなる。
トリオが良いといったけど、御大のプレイはドラムとのデュオがまた良い。
御大はソロも最高だけど、リズム楽器とサシでひたすら噛み合い、殴りあう野獣の如く繰り出す音の渦こそが真骨頂。
そのときまさにピアノは打楽器となるのだ。
本CDでも二曲目の半分はドラムとデュオが多く取られています。
一曲目はアジ演説。
二曲目、「テーマ」はまさにこの黄金トリオのテーマと言える高速・爆音スイング。音の洪水15分。ものすごい疾走感です。
三曲目、「木喰」は中村誠一さんのソプラノが朗々と響き渡る浮遊するバラード調にはじまって、やっぱり狂乱の宴へと。中村さんはこっちのほうがキレてていいね。
日本が誇るピアニスト。和フリージャズの最重要人物、山下洋輔御大はほんとにあらゆるスタイルで活躍しまくるすばらしいピアニスト。
ときにはすばらしくジェントルなピアノの詩人です。
でもやはりこのトリオに真髄が。ライブにこそ真髄があるなぁなんて思ってしまいます。
まぎれもなく、そこにいるのは「鬼」。
最高傑作だと思います。
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NHKの極めるっていう番組でかかっていました。これほしいかも