NYで超売れっ子のブラジリアンヴォーカリスト。Mrs. Luciana Souzaの最新アルバムです。
タイトルにあるとおり、おっ?という意外な曲をボサノバにアレンジしています。たとえば、スティーリー・ダン、ジョニ・ミッチェル、ジェイムズ・テイラーなどの曲。
なかなかニヤリとする渋いチョイスの数々です。
こういう企画って、ハービー・ハンコックの名盤「The New Standard」みたいだよね。
一曲目のジョニの曲で気がついたんだけど、ジョニの声にすごく似ているのですよね。英語で歌ってることもあるし。気がついてびっくりした。
このおばさま、じつはかなりの売れっ子。
NYのニュースクールで教鞭をとり、有名ミュージシャンとの録音も数知れず。
マリア・シュナイダーorch、ジョン・パチチュッチ、そしてなんとLos Angeles Guitar Quartetなど。まさにファーストコール。
ツアーも精力的に行っており、数年前ロサンゼルスで生演奏を聴いた時以来の大ファンなのです。
ギターとデュオでポルトガル語で歌われる歌はもう果てしなく甘く、官能的でした。
そう、おばさまだけど実にセクシーでしたね。
さて、このアルバムはと言いますと、一点残念なことは全曲英語で歌われていること。やっぱしポルトガル語じゃないとなーと思っちゃいました。
そしてバンドのメンバーはスコット・コーリー、クリス・ポッター、アントニオ・サンチェスなどジャズのスーパーヒーローたち。
なんだよー。せっかくのLucianaの歌声をアメリカ風に料理すんなよー・・・。
クリス・ポッターなんてダイスキだけど、この作品には彼のソロもとってつけた感じ。ちょっと残念。
・・・と、思いきや、ゆるいボサのビート、静寂なんかが伝わってきてブラジルの香りがたっぷり。
かなり気に入ってしまったぼくの負け。
極上ボサノバアルバムです。
ありがち企画のありがちCDになってないところがすごいしね。
アメリカンな土俵でもその実力を見せ付けてくれました。