1 Straight,No Chaser
2 Satin Doll
3 Fine And Dandy
4 I’m Getting Sentimental Over You
5 O.P. Blues(for Oscar Peterson)
6 I’ll Remember April
Dado Moroni(p),Tullio De Piscopo(ds),Julius Farmer(eb)
Oscar Peterson追悼と言うことでもう一枚。
このピアニストはイタリア、ジェノバ出身。ただいまNYで活躍中の中堅ピアニスト。
聴いてもらえばすぐにわかるけど、Oscar Petersonの影響が実に色濃いミュージシャンです。
#5のO.P.Bluesはもちろんオスカー御大にささげた曲。
なにしろコロコロとよくろこがるよどみの無いフレーズ。
とにかくノリノリで聴く人をぐいぐいと引っ張るこのドライブ感。それにつきます。
ある意味すごく泥臭いし、流行りのピアニストでは全然ありません。
このCDも何の変哲も無いピアノトリオ。曲も手垢のついたスタンダード。
でもねー、このドライブ感を味わいたくて何回も聴いてしまうまさに愛聴番。
確か彼はこの録音当時まだ10代。
確かに音の軽さは多少あるものの、卓越したテクとセンス。そしてオスピーへの愛。
若さに任せた・・・というわけではないでしょうが、ほんとにストレートに自分のすべてを、オスピーへのリスペクトをむきだしにしたまさに快演といえるでしょう。
とにかくノリノリ、ガツガツと弾きまくってます。なんのためらいもイヤミもない、まっすぐで一本気なプレイに実に好感が持てます。
こういうコピー君のプレイと言うのは、そりゃ最先端のジャズ業界じゃ受け入れられないかもしれないけど、ぼくはこれは好きだなぁ。コピーとかそういうのはおいといてさ、よい演奏はよい演奏じゃない。
もう一点。これはピアノトリオなのですが、じつはベースがエレクトリックなのです。
ベースのJulius FarmerさんはじつはDr. Johnなどの録音で有名なブルースマン。
そんな彼がフレットレスベースをひっさげ、極上のスイングを聴かせてくれます。
ブルースマンって言ったの誰だい??めちゃめちゃスイングしてるじゃない!?ちょーーーーーかっこいいじゃない!
「ジャズにエレベ?邪道だ!」といいたい気持ちはよーくわかる。うん。そのとーりだ。
しかし、ぼくは好きなんだよなー。エレベジャズってのが。そんなひいきの気持ちもあるんです。
Walkingのピッチが全部はっきり聴こえるし、ゴーストノートの数々がくっきりはっきり聴こえるうれしさ!
そしてドラムとの一体感がすごい。全体の曲調も速めが多いし、とにかくめちゃめちゃドライブするリズムセクションです。
特に最後の#6 I’ll remember Aprilの強烈なスイング感は絶対聴いてほしい。
しかしこのCDはなかなか売ってないかもしれない。見かけたら即買いだ!
余談だけど、このCDに出会ったのは渋谷のCD屋さん。サンプルで爆音でお店にかかってたのですよね。
うーむ、なんてかっこいいんだと思って即買いしてしまったのです。
まさに一目ぼれCDってやつです。それいらいずっと聴きまくってしまう一枚。
うんとマイナーであるけど、それゆえぜひ皆さんに聴いてほしい一枚。